村上隆 氏
村上隆 氏
1962年、東京生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。アートの総合商社である有限会社カイカイキキ代表。
サブカルチャーやキャラクターと日本の美術史を接続し、「スーパーフラット」という概念を発明。「SUPERFLAT」(ロサンゼルス現代美術館など巡回)、「Coloriage(ぬりえ)」(パリ・カルティエファウンデーション) 「Little Boy」(NYジャパン・ソサエティ)の三部作となるキュレーション展を行う。ラストとなった「LittleBoy」展(2005)は全米批評家連盟によるベスト・キュレーション賞を受賞。
2008年には『タイム』誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選出される。
ルイ・ヴィトン、VANS、シュウ ウエムラ、六本木ヒルズ等のプロジェクトや、カニエ・ウェスト、ファレル・ウィリアムス、ゆず等、ミュージシャンとのコラボレーションでも知られる。近年は映画、映像制作も手掛け、2013年には初の実写映画監督作品「めめめのくらげ」を公開。「めめめのくらげ2」および、TVアニメシリーズ「6HP」(Six Hearts Princess)を制作中。
代表的な個展に、フランスのヴェルサイユ宮殿での「MURAKAMI VERSAILLES」(2010)、カタールでの「Murakami – Ego」(2012)、森美術館「村上隆の五百羅漢図展」(2015)など。
「ゴジラ」と「新世紀エヴァンゲリオン」は、ともに「Little Boy」展に日本の戦後を象徴する作品として選ばれており、カタログの解説で、村上により、それぞれこのように語られている。
「(ゴジラ)かつて日本人が生み出したキャラクターに、ゴジラほど恐ろしい形相の怪物はなかった。核の恐怖は日本人の創造性の領域にまで多大な影響をもたらしたのだ。これ以降、核の恐怖のイメージは日本のポップカルチャーの底流として流れ続けていく。」
「(新世紀エヴァンゲリオン)ある意味で庵野の分身であるシンジを悩ませる「居場所探し」の問題は、現代日本の突破不全な難問である。ようやく戦争のトラウマを乗り越えたか、と思ったのも束の間、その先を自力で造り上げられぬジレンマの核を日本は今探している真っただ中なのである。」